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 今回の新型コロナウイルスの感染拡大阻止のために中国ではIT(AI)技術が活用されているとの話は聞いていましたが実際の状況についての知識はありませんでした。今回、ネットで調べてみてそのすごさに驚かされました。
JETROのサイトの
産官学連携でAIを武器に新型コロナウイルス感染拡大と戦う(中国)
ページに記載されている中国における感染拡大防止、医療研究項目は、
1.インターネット、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、AIなどの新技術を活用し、感染情況のモニタリング・分析、ウイルスの追跡、患者の追跡、人の移動とコミュニティ(社区)の管理を行う。

2.インターネットのプラットフォームを利用して、医療防疫物資の需給マッチング、効率的生産、支給、回収管理を行う。

3.IT企業と医療科学研究機関が連携し、AI、ビッグデータ、第5世代移動通信システム(5G)などの技術を生かし、ウイルスの検査診断、ワクチンの研究開発、感染防止や治療のスピードを加速させる。

4.企業のインターネット利用力を強化し、オンラインでの感染拡大の予防リソースと情報ツールを十分に生かし、オンラインとオフラインとで連携した管理システムを構築する。

5.ネット通販と物流配送システムを改善し、電子書籍、映画・テレビ、ゲームなどのコンテンツ製品を開発し、非接触型のショッピングとエンターテインメントにより、人々の生活必需品と精神的に豊かにしてくれるものの供給を確保する。

などですが、これらの具体的な実装状況について、NRIのWebサイトの
新型コロナウイルス対応で進む中国のデジタル社会実装」ページに分かりやすい説明がありますので一読をオススメします。
 従来人手で行ってきた多くの作業の手助けをAIシステムが支援する仕組みが構築されているようです。
〇国民IDをキーに公共交通機関の乗車履歴、位置情報など、様々な情報を収集、統合
〇感染者一人一人の位置情報が地図上に表示。
〇アウトバンド型ロボットが健康調査から簡単な問診まで行い、追跡作業を支援
〇「健康コード」を提供することで、感染リスクの高い人を排除しながら経済活動を再開。
〇AI画像診断システムで、人による判定なら通常2〜3時間かかるものが2~3秒で定量分析。
〇自動配達ロボットで薬の配達や検温など、直接患者と接する医務を務め、防護服の節約と感染リスクの軽減に貢献。

 共産党政権の中国で、新型コロナウイルス関連の情報の入手手段について95%の市民が携帯電話をはじめとするデジタルチャネルを利用する環境で、多くの最先端企業や研究機関が参画して一気に作り上げたので実現できたことだと思います。ここまでしないと14億人の多民族国家で感染を抑え込むことはできないのかもしれません。

 日本の場合には、お願いレベルでの外出自粛要請で、国民のID管理やAIを活用した監視システムも無い状態で、600人ほどの死者数に抑えることができています。中国の人から見たらすごく不思議に思われることでしょう。