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平木浮世絵美術館で開催中の楊州周延展
先日、アーバンドック ららぽーと豊洲の平木浮世絵美術館で開催されている、「特別展 没後百年 明治美人風俗 楊州周延展」を観にいきましたが、その話をすると、ほとんどの人から「明治時代に 浮世絵師がいたの?」と聞かれます。

私もそうでしたが、皆さん浮世絵(錦絵)と言えば江戸時代の印象が強いようです。

江戸時代の役者絵、美人画、風景画なども美しいですが、変化の激しい明治維新以降の時代に描かれたそれらには、その時代の風俗(和装から洋装へ、電灯、ビル建築、工場、女性の自立、娯楽、など)を知る上で非常に興味のある作品が多数あります。
また、描かれた場所が特定できる作品も多く、今の景色と比較して観賞することもできます。
おススメの展覧会です。
9月30日(日)までが前期、10月28日(日)までが後期となっています。
特別展 没後百年 明治美人風俗 楊洲周延 展 平木浮世絵美術館 UKIYO-e TOKYO
前期: 9月1日(土)〜 30日(日)、後期:10月6日(土)〜 28日(日)

東京理科大学生涯学習センターで浮世絵講座の講師をされている、新藤茂先生が図録の解説を書かれています。先生の許可を得まして、作品を何枚か紹介させていただきます。


飛鳥園遊覧之圖 明治21年の作品
楊州周延 飛鳥園遊覧之圖
図録の解説によると左奥の碑が「飛鳥山の碑」。山の下に見えるレンガ作りの工場は王子の製紙工場とあります。
Wikipediaによると王子製紙 (初代)は明治6年に設立とあります。
飛鳥山公園 - Wikipedia
王子製紙 (初代)- Wikipedia


楊州周延落款 上野不忍共同競馬會社/開業式之圖 明治17年の作品
楊州周延落款 上野不忍共同競馬會社/開業式之圖

図録の解説によると明治17年10月の作品ですが、実際に競馬が開催されたのは11月ですので、開催前に描かれた作品です。
不忍池 - Wikipedia



新美人 三十一(眼鏡) 明治31年の作品
楊州周延 新美人 三十一(眼鏡)

アサクラメガネの歴史館によると、「アサクラメガネの創業は明治6年。近代式メガネ作製の元祖です。」とあります。アサクラメガネの創立者である朝倉松五郎氏が海外で眼鏡作りを学んで帰ってきたようです。
アサクラメガネの歴史館



浮世風俗 當世振 看護婦 明治38年の作品
楊州周延 浮世風俗 當世振 看護婦
図録の解説によると、日本赤十字の看護婦が描かれています。

Wikipediaによると、「日本赤十字社の前身は大給恒と元老院議官で後に伯爵となった佐野常民らが1877年(明治10年)の西南戦争時に熊本洋学校に設立した博愛社である。」とあります。
日本赤十字社 - Wikipedia





参考
平木浮世絵美術館 UKIYO-e TOKYO オフィシャルサイト
平木信二 - Wikipedia
楊洲周延(ようしゅう ちかのぶ) - Wikipedia