大坂なおみが優勝した全米オープンテニスでは、セリーナの3度の違反行為に対するゲームペナルティーにより後味の悪い試合となってしまいましたが、この審判の処分に対しては海外では意見が2分されているようで、男女差別だとの主張もあるようです。
テニス=セリーナへの処罰の是非、テニス界で二分-REUTERS
Williams' U.S. Open treatment divides tennis world-REUTERS
しかし、この記事の中にある、マッケンローの発言には納得がいきません。
男子テニスのレジェンド、ジョン・マッケンロー氏(米国)は、主審はラケットの破壊に対しては違反を取るべきではなく、もしセリーナが態度を改めない場合はどうなるかを先に伝えるべきだったとし、米ESPNで「男子に対する基準と異なるというのは、間違いなく彼女が正しい」と発言。
Tennis great John McEnroe, one of the game’s most tempestuous characters in his playing days, said the sport must find a way to allow players to express feelings and inject their personality into the game while adhering to the rules.
Ramos should not have given Williams a violation for breaking her racquet and should have warned her early on about what would happen if she did not move on, he said.
“I’ve said far worse,” McEnroe, a seven-times Grand Slam singles winner, said on ESPN. “She’s right about the guys being held to a different standard, there’s no question.”
「男子に対する基準と異なるというのは、間違いなく彼女が正しい」(“She’s right about the guys being held to a different standard, there’s no question.”)と、あたかも男子選手がラケットを破壊しても違反行為とならないようなことを言っていますが、マッケンローの現役時代はそうだったかも知れませんが、現在は男子選手でも違反行為となります。審判はルールに従った判定をしたまでです。
ちなみに、昨年の全仏オープンの3回戦では錦織選手がラケットを破壊して警告を取られています。
また、この行為に対しては契約するラケットメーカーへの違約金支払いの可能性も取り沙汰されています。
錦織圭 巨額違約金に要注意指定…ラケット破壊が招く痛い代償-週刊女性
私が一番好きなテニス選手のマッケンローがこの様なテニスを知らない読者をミスリードするような発言を行ったことは本当に残念です。
彼がプレーしていた時には審判には暴言の言い放題でしたし、それが彼のプレースタイルでしたが、今の時代は違います。
ただし、1個目のコーチングの違反は少し厳しかったようにも思いました。
女子のツアーではオンコートでのコーチングが許されているくらいですから、4大大会でもジェスチャーくらいは許すようにルールを変更した方が良いと思います。
セリーナの暴言は今回が初めてではありません、2009年にもフットフォルトを取った線審への暴言でのペナルティーで負けた事があります。
セリーナ・ウィリアムズの反則負けは、人種問題に火をつけるか?-ニューズウィーク日本版
この時の線審はアジア系で、相手選手は産休明けのキム・クライシュテルス。
何か因縁めいたものを感じます。
また、今回の件では伊達さんが2013年の東レ・パンパシフィック・オープンでダブルフォールトした時に「アー」と観客がため息をつくと「ため息ばっかり!」と怒ったことが思い出されました。
クルム伊達 ため息に切れた/テニス-日刊スポーツ
自分の失敗を他人のせいにする、それも一番大切なファンに対して行うとは最低の行為です。伊達さんの現役復帰後、会場まで行って応援してきた私は、これは引き時だなと感じ、この試合を最後に応援を止めました。
セリーナ選手もそろそろ引き時かもしれません。