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今回の参議院選挙では、ユーチューバーの立花孝志氏の「NHKから国民を守る党」が議席を獲得しましたが、ネットマーケティングを生業としている身としては、今回のネット戦略がビジネスの世界にも通じるもがあり、その手法に非常に興味を持ちましたので、色々と調べてみました。

第1に、Google Trendsで、キーワード
N国党
NHKから国民を守る党
自民党
自由民主党
の過去30日の検索状況を調べました。
Google Trends 比較
trends1

参院選の投・開票が行われた7月21日の状況は「NHKから国民を守る党」を100とすると、
「自民党」が74となっています。
政権与党を超える検索数で、開票日以降も「NHKから国民を守る党」が優勢に推移しています。



第2に、動画配信サイトYoutubeの状況を調べてみました、

立花孝志 チャンネル-Youtube
登録者数 238,047人

最も多く再生された動画、
NHKをぶっ壊す!【政見放送】 NHKから国民を守る党【立花 孝志他3名】全国比例区-Youtube
3,660,069 回視聴
この動画以外にも100万回以上再生されている動画が多数あります。
チャンネル登録者が多いためと思われますが、何件もの動画が毎日アップされ、すぐに10万回以上の視聴回数となっているようです。

自民党 チャンネル-Youtube
登録者数 49,819人

最も多く再生された動画、
自民党CM 「この道を。力強く、前へ。」-Youtube
3,011,520 回視聴
この動画は古いですが、今回の参院選用に作られた複数の動画も200万回以上視聴されています。

チャンネル登録者数、視聴回数トップの動画の視聴回数ともに立花孝志 チャンネルが上回っています。

自民党が丁寧に作り込まれた動画をアップしているのに対して、立花孝志議員の動画はそのほとんどが、手作りのあまりお金をかけていない動画ですが、選挙演説の実況動画や毎日の出来事などがタイムリーにアップされ、その頻度の多さから多くの視聴を獲得しています。

立花氏はユーチューバーで、動画に広告が表示されるようになっているので、何度も再生されて広告が表示されるたびにお金が入って来ます。
NHKで放送される政見放送は選挙期間のみですが、自分のYoutubeチャンネルにアップするとそれが継続再生されて利益につながって行くと言う収益モデルです。

話題性のある議員が入党したり、毎日話題性のある動画を配信することにより、党の認知度の拡大だけでなく、収益につながると言う一石二鳥の宣伝戦略となっています。

ちなみに自民党の動画には広告を表示しない設定になっているようで、私が見た限りでは広告は表示されませんでした。



第3に、先日、日本外国特派員協会での、立花孝志議員と松川るい議員の記者会見の動画。
日本外国特派員協会会見映像 オフィシャルサイトFCCJchannel

記者会見の内容が異なるので比較にはならないとは思いますが、参考まで。
Takashi Tachibana: "Does Japan Really Need Saving from NHK?"
4,561回視聴

同じ内容のTHE PAGEの動画が多数の視聴を獲得しています。
「本当にNHKから守る必要があるのか」N国の立花代表が会見(2019年8月2日)-THE PAGE(ザ・ページ)
293,907 回視聴

Lee and Matsukawa: "Possible solutions to the Japan-South Korea crisis"
199,002回視聴
今、大きな問題となっている日韓関係に関するものなので、多数の再生がされています。



その他、旧来メディアとネットメディアの比較を参考まで。

新聞の発行部数は毎年減少していますが、日本新聞協会の2018年の発行部数(新聞の発行部数と世帯数の推移-日本新聞協会)をみると、一般紙が36,823,021部となっています。
押し紙(ノルマ達成と押し紙-Wikipedia)が含まれているので、実際に読まれている部数はそれよりは少ないと思われますが、まだまだ影響力は大きいと思われます。

ちなみに、昨年の媒体別の広告費用の構成比は電通のWebサイト(2018年 日本の広告費|媒体別広告費ー電通)によると、
テレビメディア:29.3% (19,123億円)
インターネット広告費:26.9%(17,589億円)
新聞:7.3%(4,784億円)
となっています。
インターネット広告費は前年比で16.5%アップしているので、2019年はテレビを抜いてインターネット広告費がトップ媒体になると思われます。
ビジネスの世界では最も影響力のある媒体となります。
各政党にとって益々重要になると思われます。